コラム

 公開日: 2015-12-15 

病院経営の生き残りはどうする!?

競合激化のなか、漫然と外来診療に当たり、必要なら市民病院に紹介するといった医療を続けていると、開業から5〜10年後の成熟期を乗り越えることがむずかしくなります。
これからは、かかりつけ医としての見直し、外来の再編、在宅医療の向上、認知症への対応、介護との連携など、病院の方向性を具体的に考える取り組みが必要です。

かかりつけ医機能の見直しで生き残り

主治医の果たすべき役割が明確化され、いわゆる総合医的なスキルが必要とされています。
高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症、複数の疾患をかかえる患者を対象に、服薬管理や検診の推奨、健康相談、介護保険を理解した上での指導・サービスの提供、24時間対応の体制を行うことが評価されます。

開業医は、「日本プライマリ・ケア連合学会認定医」の取得をはじめ、スキル向上を求められることがあるかも知れません。
また、総合診療医であるだけでなく、急性期病院や介護、薬剤師、口腔ケアの観点から歯科との連携の強化も必要になっています。

今のままの病院経営に留まらないで

500床以上の病院への紹介状なき外来受診に、定額自己負担を求める方針が打ち出され、外来抑制の色合いが鮮明になっています。

急性期医療の絞り込みは、専門性の高い外来への特化を意味しており、プライマリ・ケア分野は診療や中小病院が受け持つこととなります。
初診から、適時適切に専門機関に送ること。また退院後のケアの領域を受け持つことを考えましょう。
紹介・逆紹介のサイクルをより一層強めていくことが理想です。
時代のニーズを先取りするための姿勢として、急性期病院にこちらから出向いていく機会を増やしたいものです。

競合とともに生き残る姿勢の関係づくりを

医療機関の機能分化が進み、連携の重要性が叫ばれる中、病院同士のつきあいは、日常的に増えるでしょう。

かかりつけ患者に効率的かつスムーズに、適切な医療機関を提供するため、他病院とのよりよい関係をつくる必要があるでしょう。
検査や入院のための紹介、在宅に移行したい患者を紹介されたりといった関わりです。
競合に勝つことも大切ですが、連携を取って生き残れるなら、双方の得となる、win-winの関係でいきましょう。

病院間の良好な付き合いは、組織力を強化することと同様の意味を持ちます。

これからの病院経営 念頭におくべき在宅医療と認知症診断

在宅医療が推進されている背景には、もちろん高齢化があります。年間の死亡者数がやがて160万人にのぼることが予想され、病院や施設ではなく、住み慣れた地域で最期まで暮らす体制をつくる必要が出てきたのです。

24時間対応の強化や個人宅患者の獲得、ケアの充実に向け、事務職を活用した相談対応の窓口を設けるなどの試みを考えてみましょう。

また認知症も専門医が診る特別な病気ではなく、早期診断や治療ができる体制整備を目的に、一般診療所であつかうべきものという位置づけになりました。
地域で認知症をケアするという方向なので、認知症疾患医療センターの所在を把握し、介護事業所との連携の可能性も探っておくべきでしょう。

生き残りの鍵は連携にあり

連携という意味で、地域連携パス対応なども考えておきましょう。地域連携パスとは、医療機関や医療者によりさまざまだった治療手順を標準化。目標設定のもと効率的な運用を図ることを目的とした臨床プロセス促進ツールのことです。

活用すれば、大病院と地域のかかりつけ医の役割分担、患者さんやご家族の方への治療スケジュール・治療内容・治療方針が明確化されます。
病院や医療スタッフも、情報を共有することで連携体制がとりやすくなるといえるでしょう。

将来の医療や介護のあり方を見据えて、これからの病院がとるべき方針や経営について、あらゆる角度から押さえておさえていきたいものです。

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