コラム

 公開日: 2015-12-07 

病院経営の黒字化を実現するために必要なコト。

病院には患者さんを早く治療し、社会復帰させるという使命があります。
治療後や退院時に患者さんの喜ぶ顔を見ることは、医療従事者の喜びであり、仕事の価値の再認識と言えるでしょう。
そして、医療を通じた社会貢献に強い意欲を持つ院長の理念は、職員のモチベーションを刺激し、職場の一体感へとつながるでしょう。
組織の統一化で生まれる院内の風土こそが、良好な病院経営、黒字経営に密接に関係していると考えます。

病院経営の基本 職員の育成と定着で無駄を省く

立派に仕事を成し遂げたいという全職員の気持ちは、功績が認められるにつれ増大します。
明朗で丁寧、意欲的にきびきび動く医療スタッフのいる病院には、自然と患者が集まります。

スタッフの習熟が進むほど、使用する診療材料費が減ると言う事実を、あらためて思い起こしてみてください。

平均勤続年数が伸び熟練経験者が増えると、作業効率が上がり、ミスが減少することで得られる結果です。

新人ナースの場合でも、短期間に技術を習得すれば、無駄が削減できると言えるでしょう。
つまりスキルアップをしっかり考えての教育研修は、経費削減対策につながるわけです。

病院経営の黒字化に向けての経費の削減

医業利益を出せるのは、支出を本来的な収入でまかなえているからです。かかる経費よりも多くの収入を獲得できるかどうかです。

黒字経営のために、まずナースに考えて欲しいのは、医薬品や診療材料の無駄をなくすという部分です。

平均的な医業利益率は2%。
1割の削減で医業利益は5%台に上がり、逆に1割の無駄により赤字転落となるのです。

医薬品の無駄を抑えることの具体例として、特定の患者さんにしか使用しない薬で考えてみましょう。

患者さんの退院後や次の治療に進んだ段階で、それは使用しない医薬品になってしまいます。有効期限までに同様の患者さんが来なければ、処分される運命です。

デットストックが増えれば、病院にとってのマイナスも広がっているのです。
仕入れ価格が高い場合が多いこの種の薬。医薬品卸業者と交渉し、可能なら小分けでの納入が望まれます。

患者さんの症状や今後の治療方針が職員に行き渡るようにして、ナースからの情報提供が得られれば、デットストックの削減ができるでしょう。

病院経営は、ささいなことに真面目に取り組む意識で黒字化に

経費を考える際の院内の取り決めとして、決して小言レベルと言えないのが、電気の無駄です。大きな自然災害の後、電力消費の問題が、声高に言われましたが、その流れは緩んでしまっていませんか?

消費する電力の大きいのが病院です。電気を無駄に使用しないよう心がけることは、大切なマナーであると考えます。
お昼休みの受付の灯りを落としたり、点滅しはじめた蛍光灯のはやめの取り替え、LEDへの移行など、できることはたくさんあります。
どこの電気が、なぜ無駄であるのかを考え、スイッチオフ。節電につなげていきましょう。

ささいなことのように思えますが、経費節約のヒントはあらゆるところにあるのです。
エレベーターの乗降で「閉」を押すことは、時間の短縮にはなりますが、電力消費はアップします。階段を使える範囲もあるので、「ちりも積もれば山となる」の精神を浸透させておきましょう。

黒字化は病院職員全員の意識と努力から

細かな経費削減が利益につながります。
職員が、自分たちも利益アップに貢献できるという意識を持つことで、気持ちのよいリズムと緊張感が生まれます。患者さんが感じる医療施設への信頼や満足は、そんな空気から伝わるのかも知れません。

「管理することからはじめたのに、いつのまにか全員が主体性をもって取り組めるようになった」
スタッフを軽んじることなく、裏表のない誠実さで接してきた院長は、厚い信頼と支持を得られるでしょう。

経費の削減額だけで昇給財源を確保するのは困難ですが、継続して増収をはかれば、職員への還元につながる話です。コストをおさえた黒字経営は、職員への対価ともなるのです。

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