コラム

 公開日: 2015-12-04 

病院経営における人材育成の必要性

医師や看護師は、病院が発信する勤務条件や教育体制などの情報から、自ら勤務先を選ぶことが多くなりました。中小規模・地方の病院には人が集まりにくくなっていると言われています。
病院経営における課題のひとつが「人」です。
いい人材の不足・スタッフ間のスキルの格差・採用後の不定着など、日頃から頭を悩ますシーンも多いのではないでしょうか。
それでは、院長の医療手腕が発揮できません。
スタッフ教育の徹底はもちろん、マネジメント力の高い人材の雇用育成を実現し、権限の委譲を行うなどして、志す医療をより多くの人に届ける業務に専念したいものですね。

病院の生き残りをかけて接遇など職員の人材育成を

今や、病院もサービス業であるとの認識が、医療従事者側だけでなく、患者さんにも浸透してきました。
競合する病院が増え、他院との差別化を図ることが難しくなっています。

生き残りをかけ、より多くの患者さんに支持されるには、応対力を底上げするに限ると言っても過言ではありません。

日々の多忙業務の中で、接遇が二の次になっている場合もあるかも知れませんが、心の有り様が、そのまま態度や言動になっているとしたら、非常に残念だと言えます。
選ばれる病院であるために、医療サービスの基本をメンタル面から統率していくことが大切です。

他の医療機関に負けないサービスと接遇力が必要

特に、地域に競合がある場合は、自院は圧倒的に他の医療機関に負けないサービスと接遇力が必要です。他の商売にも言えますが、同じ値段で同じ品質、また購入するお店と自宅の距離が同じなら、あなたはどういうお店で品物を買いますか?
お店がきれいで清潔で清掃が行き届いていることや、品揃えや品物の陳列の良さというのも、選択の一つにはなりますが、お店の入りやすさと、サービスがいいお店に決まっていますよね。

ここで言うお店の入りやすさとは、そこにいる店員さんの挨拶のすがすがしさ、笑顔やちょっとした会話のしやすさ、物を探している時に出しゃばらないけど、タイミングのいい「何かお探しですか?」という声かけ、そういったことを含んでいます。

他では味わえない圧倒的な満足感を

サービスの良さとは前項のような接遇を含めて、他のお店では味わえない圧倒的な満足感を、“いつ行っても”感じさせてくれることです。「値段の高い安いではない」というお客さんもいるくらいです。
この二つは、お金がかかることでしょうか?間接的にはかかるかもしれませんが、大部分はチームとしての心がけなのです。

ここでチームといったのは、ここでのサービス(つまりお客さんが満足感を味わってお店を出ていってくれること)が“いつ行っても”という言葉に表されるように、誰が店員に立っても果たされなければなりません。

このちょっとした差は、例えば競合で感じを悪くして帰った人がいた時は、自院でのサービスが5倍、10倍の差になって跳ね返ってくるのです。どうせ仕事をするのなら、人を気持ちよくする仕事をしたいものです。「あくまでもチームとして」です。

「診てあげている・やってあげている」という意識レベルでの間違いを指摘するのが、患者さん側であってはならないからです。

人材育成に教育体制を構築することは必要不可欠

「鉄は熱いうちに打て」という言葉があります。病院における人材教育も最初が肝心です。
入職直後から院長をはじめ、周囲のスタッフが、新人と真摯に向き合い応援する姿勢で取り組みましょう。

成功体験を重ねることで、仕事のおもしろさを発見し、課題に気づく能力を養うことができるのです。
教える、ある程度叱る、承認する、そして誉めることも、人材教育においては必要だと感じます。
また、経験の浅い看護師からは、教育体制の整った環境を期待する声も聞かれます。

人材育成のための「5S運動」

業務改善や業務向上に努める院内の雰囲気が、サービスの質の源泉と言えるでしょう。
医療サービスアップを実施する際に、職員の意識改革ツールとしてよく用いられるのが「5S運動」です。
5つの日本語頭文字Sで示した「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」です。一見、当たり前のようである作業を徹底させながら、職員の意識を統一し、変革する効果があります。

不用なものを分別し処分する“整理”。
必要なものを、誰でも取り出せる状態にする“整頓”。
ゴミや汚れをなくし、設備などを磨き上げる“清掃”。
それらの徹底で、より良い環境を保つ“清潔”。
決めごとを、正しく実行する習慣づけを行う“しつけ”。

5Sの達成により、過剰在庫と過剰な置き場の排除になり、
仕事の効率UPにつながります。
こうした日常的なスタッフ教育により、患者さんには「またお世話になりたい病院」というイメージが残ります。さらにそれは良い評判として、人から人へ広がり、大きな輪になると考えていいでしょう。

院内での人材育成におけるマネージャーの必要性

診察室にいると、院長はスタッフとじっくり話す時間は持てません。
そこでマネジメント業務に当たる人材の育成に力を入れる病院も増えてきました。マネージャーの役割や機能をひと言で表すことは難しく、病院の組織形態によりさまざまで、統一された定義はないと言えます。

しかし、院長の経営理念、組織をどう動かしたいかを理解し、一緒に道筋をつける人材確保は、今後大きな意味を持つことでしょう。

現状をよく知る、素養あるスタッフから選出するという判断。事務長経験を有する即戦力を新規採用という方法。増収を期待して、優秀な営業経験者をターゲットにすることもあるでしょう。

単に、事務や経理のプロ、労務管理の専門家という範囲に留まらない、新しい発想を持ったリーダー的存在の育成が望まれます。

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