コラム

 公開日: 2015-12-03 

病院経営のコスト削減ポイント

前回は、医療経費の半分ほどを占める人件費の削減についてご紹介しました。
医療機関は総じて無駄使いが多いと言われています。
患者サービスや医療の質を低下させるような経費節減は問題ですが、人件費以外にも見直すべきところが多々あるのではないでしょうか?
今回は、さらなる消費増税に備え、再点検しておきたいコスト削減について考えます。

人・モノ・経費、すべての面からのコスト削減を

病院経営では、人・モノ・経費、すべてにおいて、少々の問題は見過ごされていることが多いようです。
ルーズな物品管理や、予算制のないドンブリ勘定もあげられます。
病院を取り巻く経営環境がめまぐるしく変化している現代です。無理や無駄は、極力抑えたいものです。

モノに関するコスト削減に取り組む際には、使用する金額が大きいものから見直すのが基本です。しかし、院長ひとりで取りかかるようなことではありません。

組織として掲げる「コスト削減」の目標設定が必要です。
院長の姿勢や意志が、職員全員にきちんと伝わり、協力をあおぐことのできる院内体制、日頃からの環境づくりが生きてくるといえるでしょう。

コスト削減 職員の持つべき意識改革が必要

職員にとって一番取り組みやすいのが、身近なコスト削減です。
「病院で使う経費は自分とは無関係」という気持ちが、職員の中に無意識に働いていないでしょうか?
頭で理解した「コスト意識」が行動に伴っているでしょうか?

コスト削減を呼びかけた人が孤立してしまうといったケースは、避けなければなりません。
むしろ実行できないと、居心地が悪いような雰囲気が、自然にでき上がるのが理想的です。
無駄だと感じる項目について、職員の意見を聞く場を設け実践すると、一層、士気が高まり削減を進めやすくなります。
削減策についてのリーダーを、職員の中なら選出するのも一考であり、責任感の醸成にもつながるでしょう。

薬剤などの在庫管理でコスト削減を目指す

削減効果の高いものとして、薬剤があげられます。棚卸しのできていない病院は多いかと思いますが、期限切れのものはありませんか?
安価ではない薬剤ですので、購入後も管理を行うことが必要です。

棚卸しをすることで、使用頻度の低いものは購入を絞る、高いものは在庫に余裕を持たせるようにしましょう。
エクセルなどを使って、薬剤の一覧表を作成し、月末にチェックするという作業を繰り返せば、季節による変動も把握できます。
医療材料も同様で、継続・中止の検討を行いましょう。

デットストックの整理は経済的視点からの大きな課題であると同時に、無駄なスペースを失くし、快適な動線を作ることにもつながります。

水道光熱費などの管理もコスト削減のポイントに

水道光熱費の料金は確認できているでしょうか?
医療機関の場合、水道料はある程度仕方がない面もありますが、電気ついては一般家庭と同じ取り組みで節電できます。
LED電球への移行、使用していない場所の電気は、こまめに消すという地道な方法です。

物品購入では、業者との交渉も重要です。使用頻度の高いものは、きちんと見積もりをとって、業者を選択しましょう。

医療機器などの購入は、診療の内容や患者さんの年齢層、地域性により、集患数が違ってくるので、回収できる購入額かどうかを検討しましょう。業者からの統計データだけでは判断できない面もあるのです。

専門家のアドバイスを受け コスト削減

多かれ少なかれあるのが借り入金です。
開業時から同じ金融機関とのお付き合いのみというケースもあるでしょう。
地元銀行や信用金庫は、融通の利くメリット、地域発展のために力を貸してくれる機会も少なくありません。相見積もりをとるなど、上手な取引を考えましょう。

お金に関する削減は目に見える金額も大きいですが、さまざまな制度があり、安易に取り組みすぎると税務調査で指摘を受けることになったり、後々の問題に発展することもあるので注意が必要です。

また、院長があちこちの金融機関に声をかけると経営難を勘ぐられる場合もあります。
専門家の手を借りるなどしてスムーズに話を進めましょう。

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