コラム

 公開日: 2015-11-30 

病院経営の手術件数を増やす取り組みは是か否か

手術に関するコンサルティングを手がける場合、病床利用率、平均在院日数、手術件数、看護必要度といった診療データを参考にします。相互間の関係を見ることで、傾向や対策が見えてきます。

診療単価と手術件数の関係性

入院収益の増加は、診療単価の増加と手術件数の増加によるものです。心臓や脳神経などの手術の点数は、皮膚科や眼科の手術より高く、手術の難易度による詳細な診療報酬手数表が定められています。
週に1回、脳外科で2万点の手術をするのと、眼科で2千点の手術を10回するのでは、同じ点数になります。

ただし、脳外科の入院日数が仮に2週間だとすると、多くの人手や設備が必要です。
したがって、眼科での簡単な設備や日帰り入院と比較すると、原価計算でどちらが有利になるか?というところです。
診療単価と手術件数にはそうした関係性があるのです。

手術件数を増やすためのポイント

病院の収支改善のため、手術件数を増やして収益アップをと考えたことはありますか?
手術件数を増やすことの課題として、医師の技量、設備、手術室の空き状況、補佐できるスタッフの数、病床の空き状況、看護師のサポート体制などがあります。

もちろん、診療科目による手術の種類で、1日にこなせる数は限られます。
数名の医師がいる場合には、手術室のスペース確保も必要でしょう。手術開始時間の検討や、手術後の清掃時間の短縮、準備作業の標準化など、ひとつずつの見直しをしてみることです。

手術室の稼働状況を考える

手術室の改善を手がけるコンサルティングもあります。
分析結果の可視化によって動きはじめる病院改革。他病院とのベンチマークでデータを見るなどすると、手術件数が十分でないケースも浮き彫りになります。

手術件数が増やせない原因には、患者数ではなく手術室の運用に問題があること、麻酔科医や看護師のマンパワーに頼っている問題などがあります。

客観的な評価結果から、効率化に向けてのコンセンサスを得た上で、実績に応じた手術枠の最適化を行う提案をいたします。

もちろんスタッフの協力も必要ですが、手術室の稼働の悪さをデータで見ることで、現場の納得を得られる場合が多く、改善へのモチベーションにつながっています。
医療に携わる人は向上心も強いので、意識改革のきっかけになるとも言えるのです。

満足度の高い手術を提供しているケース

地域医療を支えていくためには、安定的で継続的な病院経営、求められる医療の提供が必須です。

女性や高齢者に多い、脚の静脈が膨らみ、しびれやだるさなどの症状が出る下肢静脈瘤。外科的治療の中でも下肢静脈瘤に特化した医療体制が評判となり、日帰りレーザー手術を相当数こなす病院があります。女性の就業率が高くなり、高齢化がすすんだ今、積極的に治療したい患者さんが増えてきたからです。
クチコミ評価の広まりで、予約待ちが出るほどに急成長している例と言えるでしょう。

同じく外科医で、肛門科を看板に掲げる先生も多くいます。痔のタイプも色々ですが、人に言えなかった悩みであるだけに、入院期間中の患者同士の気軽なコミュニケーションは特徴的です。メンタル面も含め手術後の快適さは上々のようです。

また、大腸内視鏡検査と同時に行うポリープ手術を専門に、前処置のためのトイレ付き個室、テレビ付きリクライニングシートを採用するなど、確実なブランディングに成功した病院も人気を呼んでいます。

最悪のことを考えて最善の準備を行うことが大切

手術に際して、手術そのものが患者さんにとって必要不可欠であり、治療法の選択肢のうちベストであることを、スタッフ全員が把握して、そのことを患者さんに十分説明納得してもらい、最終的には患者さん自身が手術を選択し、病院側スタッフ全員が患者さんに協力、フォローを行うという姿勢が最も大切であると考えます。

物事は最初が肝心で、患者さんが不安を抱いたままであったり、十分納得していなかったりしたまま、もし手術の結果が思わしくなったりすると、後でクレームが出たりとか訴訟問題になったりするリスクが伴うからです。

このクレーム対応や訴訟問題に関しては後々、詳しく特集したいと思いますが、もしそういう事態になった時は、売上がどうだとか経費がどうだとか、そんな問題ではすまなくなります。

多くのネガティブな時間やストレスを長期に抱え、病院経営の危機になるばかりか、院長はじめスタッフ全員が疲労困憊となり、患者側も疲れ果てて誰一人勝利者は生まれません。

脅すわけではありませんが、そんな事態にならいように最悪のことを考えて最善の準備を行い、楽観的に事に当たることが大切です。あくまでも順序が反対にならないようにしなければなりません。つまり楽観的に考えて、最低の準備しか行わず、最悪の事態を招かないようにしたいものです。

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