コラム

 公開日: 2015-11-26 

病院経営の課題

医業を継続させて、地域医療に貢献するためには、安定した売り上げで利益を出すことが欠かせません。
医療経営に関する書物等を参考に、売り上げアップの手法を尽くすには時間を要します。ムダなコストがかかる恐れもあるでしょう。
まずは、経営の現状を分析し、戦略を冷静に練るところから始めてみましょう。
開業間もない段階、数年が経過した頃、それ以降の発展期にある場合など、段階別に課題を探っていきます。

病院を開業する前後の課題

長期的な計画を立てる場合もありますが、決心してから開業に至るまで、最低一年はかかります。
物件の選定や資金調達、職員の確保など、幅広い準備が必要です。また、今や病院もコンセプトを持った医療の提供が大切です。診療科目を決めると同時に何を柱に、どの分野まで受け持っていくのかなど、しっかりと検討することが望まれます。

新規の病院のイメージづけは、院長の医療理念によるところが大きく、またそれは、職員の姿勢や態度となって表れ、集患の善し悪しに確実につながることを頭に入れておきましょう。
また、当たり前に思う以上に、増患と利益アップは、スタッフの笑顔の習慣づけから始まることを付け加えておきます。

滑り出しで差がつく病院経営

開院から3年程までの間に、いかに患者の数を確保できるかがポイントになります。
ここまでの期間は、患者数が右肩上がりという病院が多いだけに、来てもらうだけのスタイルでなく、いかに集めていけるかに集中していきたいところです。

存続から発展へと向かうため、効率のいい広告を使っての刷り込み作業は必須です。収益が伸びなくなってからでは、必要な広告経費の捻出はむずかしくなります。
顧客満足を高める待ち合い室の備品など、アイデアをいかした投資も必要です。

逆に、この初期段階で収益が上がらないなら、周辺人口や競合の影響が大きいと考えられます。開業地域の誤りを問うても、時すでに遅しですから、変化を生むやり方で状況打破をしましょう。

経過が心配な患者とホットラインを結び、診療時間外の異変など、緊急の問い合わせを受ける方法で、絶大な信頼を得たクリニックもあります。

病気と同じく、病院経営の問題点も早期発見が改善につながります。改めるべきところを見つけ、利益の上がる体制づくりを模索しましょう。

安定期における課題

開業してから3年を過ぎ、発展時期と呼ばれる頃に入ると、病院ごとの個性が生まれます。
日々の診療が充実すると獲得施策をとらなくなるものですが、ここでの見直しは重要な課題です。

カルテの枚数が増えても、新規患者数は常に意識しましょう。
クチコミや紹介患者が少ないと、経営の安定は難しい状況に陥りやすくなるのです。
提携医療機関との関係に、悪い変化が起きていないかチェックしましょう。

患者数の減少をチェック

増患対策において、新患獲得にばかり目を向けがちですが、この時期最も大切な事は既存の患者数の減少はないかということです。

既存の患者で毎月来院していた患者さんが3カ月来院がないとしたら、その理由を検証してみる必要があります。
例えばそれは、もうすでに治療の必要がなくなり来院していない場合を除いて、農家の場合農繁期で来院がない場合とか、どこか海外旅行など長期に家を空けている場合とかであればいいのですが、何かの理由で病院を変わったりとかであるなら、できるだけその理由を検証して今後の診療に活かさなければなりません。

休眠中の患者さんにハガキを送るなどの対策を

多くのデータからこの休眠中の患者の理由は、仕事が多忙になったりとか、家庭の事情が変わって一時的に来院できない状況というのが、多くを占めていることがわかっています。いずれ、戻ってくるとは考えられますが、もし競合が付近にある場合とか、最近は車社会ですから、30分以内なら他所の医療機関に行く可能性もあります。

特に3カ月来院が空いた場合は、患者側も再来院しずらいものです。「この際だから今度できた医院に行ってみるか」とか「以前から気になっていたあのきれいなクリニックに行ってみよう」などと浮気心を出さないとも限りません。もし、その時にその医院やクリニックのスタッフの対応が良くて気に入ったら・・・。
けっして考えたくはない光景ですよね。

しかし、その休眠中の患者さんにハガキ1枚を出すことは、そんなに難しいことではないと思います。そのハガキ1枚でリピーターである既存患者が戻ってくるとしたら、新患を増やす苦労よりも、大した作業ではないことがわかっていただけたと思います。

周辺の潜在患者数のシェアは、15〜20%でキープしたいところです。
また、順調な病院ほど、待ち時間対策や診療の効率化が急務です。
特に診察後の会計待ちは大きなストレスになるので、迅速な会計処理ができる配慮をしましょう。

人材育成で絆をつくる病院経営の課題

病院経営の永遠の課題として、職員を財産に変えることがあげられます。医療やサービスの質は、人に左右されます。
職員の知識と技能の向上、信頼される豊かな人間性が束になり、揺るぎない組織ができあがります。

院長が医業収益を上げ医業費用を下げようと突進するだけでは、意識のギャップが生まれます。
院長の医業理念、高い志が、人を育てる土壌をつくります。
気持ちを乗せた指示や伝達、愛情を持った接し方、時には反発を恐れない厳しさが必要なこともあるでしょう。

1人だけの努力で、患者と利益を増やすことはできません。
ここで働き続けたいと願う職員の熱い意欲が、やがて利益を生む体質となり、医療経営者の一番の支えとなるのです。

この記事を書いたプロ

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経営コンサルタント 西村秀明

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